原稿作成に使えるプロンプトの型|6つの要素と目的別テンプレート
AIに原稿を頼むときの指示文(プロンプト)には、押さえるべき要素があります。役割、目的、読者、素材、制約、出力形式の6要素と、構成案・本文・リライト・要約など目的別のテンプレートを紹介します。
AIに原稿を頼んでみたものの、思ったような文章が出てこない。毎回指示の書き方が違うので、結果も安定しない。社内でAIを使う人が増えたのに、人によって原稿の質に大きな差がある。こうした悩みの多くは、プロンプト(AIへの指示文)を「型」にすることで解消できます。
プロンプトに特別な呪文は必要ありません。人に仕事を頼むときと同じように、目的や相手、材料、条件を漏れなく伝えれば、AIの出力は安定します。型があれば、誰が頼んでも一定の質を保ちやすくなり、うまくいかなかったときに、どの要素が足りなかったのかを振り返ることもできます。
この記事では、原稿づくりのプロンプトに入れるべき6つの要素と、構成案、本文、リライト、要約など目的別のテンプレートを紹介します。ChatGPT、Claude、Geminiなど、一般的な対話型のAIで使える書き方です。
原稿用プロンプトの6つの要素
原稿を頼むプロンプトには、次の6つの要素を入れるのが基本です。
| 要素 | 伝えること | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1. 役割 | AIにどんな立場で書いてほしいか | あなたは中小企業向けサイトの編集者です |
| 2. 目的 | 何のための原稿か、読者にどうなってほしいか | サービス紹介ページで、無料相談の申し込みにつなげたい |
| 3. 読者 | 誰が、どんな状況で読むか | 初めて外注を検討している総務担当者 |
| 4. 素材 | 原稿の根拠となる情報 | 以下のサービス資料と、よくある質問のメモ |
| 5. 制約 | 守ってほしいルール、使わない表現 | 素材にない数字は書かない。です・ます調 |
| 6. 出力形式 | 文字数、見出しの有無、形式 | 600字程度、h3見出しを2つ |
この中で最も重要なのは「素材」と「制約」です。素材がないと、AIは一般論で空白を埋めます。制約がないと、根拠のない数字や誇張した表現が混ざります。特に「素材にない事実は書かず、不明な点は【要確認】と書く」という制約は、どの原稿でも入れておくことをおすすめします。
目的別テンプレート
6つの要素をもとにした、目的別のテンプレートを紹介します。【】の部分を自社の内容に置き換えて使ってください。
構成案を作る
- 「あなたは【業種】向けサイトの編集者です。【ページの目的】のための原稿の構成案を作ってください。読者は【読者像】です。以下の素材をもとに、h2レベルの見出しを【数】個、それぞれの見出しで書く内容の要点を2〜3行で示してください。素材だけでは書けない見出しには【素材不足】と注記してください。素材:【素材】」
本文を書く
- 「以下の構成案の『【見出し】』の本文を書いてください。読者は【読者像】、文体はです・ます調、文字数は【文字数】程度です。以下の素材に書かれた事実だけを使い、素材にない数字、実績、固有名詞は書かないでください。不明な点は【要確認】としてください。『最適』『圧倒的』などの抽象的・誇張的な表現は避けてください。素材:【素材】」
既存の原稿を書き直す
- 「以下の原稿を、【目的:例 初めての読者にもわかりやすく】書き直してください。事実や主張は変えないでください。専門用語には初出で一言説明を添え、一文は60字程度までを目安にしてください。変更した主な箇所と理由を、書き直した原稿の後に箇条書きで示してください」
要約・抜粋する
- 「以下の資料を、【用途:例 サイトのお知らせ欄】向けに【文字数】字以内で要約してください。資料に書かれていない情報は加えず、日付・金額・条件は原文どおりに記載してください」
見出し・タイトルの案を出す
- 「以下の本文に合う見出し案を10個出してください。読者は【読者像】です。本文に書かれていない内容を約束する見出しは避け、30字以内にしてください。『読者の悩みを示す型』『得られる結果を示す型』『手順や数を示す型』を混ぜてください。それぞれの案について、本文のどの部分と対応しているかも一言添えてください」
原稿を点検させる
- 「以下の原稿を点検し、事実確認が必要な箇所(数字、固有名詞、制度、比較表現)、抽象的な表現、表記ゆれをそれぞれ一覧にしてください。正しいかどうかの判断は不要です」
プロンプトを改善する手順
テンプレートを使っても、一度で理想の原稿が出てくるとは限りません。うまくいかないときは、次の手順で改善します。
- どこが期待と違うかを言葉にする:「内容が薄い」「長すぎる」「口調が硬い」など、具体的に書き出します。
- 原因となる要素を探す:内容が薄いなら素材、口調が違うなら読者や制約、長さが違うなら出力形式、というように6要素のどれが足りないかを考えます。
- その要素だけを直して頼み直す:一度にすべてを変えると、何が効いたのかわからなくなります。
- 良い例を見せる:言葉で説明しにくい雰囲気は、過去に書いた理想に近い文章を「この文体を参考に」と添えると伝わりやすくなります。
- うまくいった指示を保存する:改善したプロンプトは、テンプレートとして社内で共有します。
手順4で見本を渡すときは、社外秘の情報や、他社の文章をそのまま使わないよう注意してください。見本はあくまで文体の参考であり、内容をまねさせるものではありません。
テンプレートを社内で共有するコツ
プロンプトのテンプレートは、個人のメモにとどめず、社内で共有すると効果が大きくなります。共有するときは、次の点を意識しましょう。
- テンプレートごとに「何に使うか」「入力すべき項目」「使用例」をセットにする
- トーン&マナー、用語集、表記ルールなど、毎回添付すべき資料を明記する
- 入力してはいけない情報(個人情報、顧客の機密など)を冒頭に書いておく
- 使った人が改善点を書き込める欄を設け、定期的に更新する
どのテンプレートを使っても、AIの出力はあくまで下書きです。テンプレートの末尾に「出力後は、事実確認と編集を人が行うこと」と一行入れておくと、運用ルールの周知にもなります。
まとめ
原稿作成のプロンプトは、役割、目的、読者、素材、制約、出力形式の6要素で組み立てると、誰が使っても出力が安定します。構成案、本文、書き直し、要約、点検と、目的別にテンプレートを用意し、うまくいかないときは足りない要素を一つずつ直していきましょう。
まずは、この記事の「本文を書く」テンプレートを使って、自社サイトのページを1つ書かせてみてください。出力を読んで期待と違った点を書き出し、6要素のどれを直せばよいかを考えることが、自社専用のテンプレートづくりの第一歩になります。