AI文章にありがちなクセの直し方|抽象・誇張・定型表現の見つけ方と書き換え例
AIが書いた文章には、抽象的な言葉、大げさな表現、決まり文句といった共通のクセがあります。クセの種類ごとの見つけ方と書き換え例、AIに最初から避けてもらう指示の出し方を紹介します。
AIが書いた文章は、なぜか読んですぐ「AIっぽい」とわかることがあります。内容に誤りがなくても、言い回しに独特のクセがあると、読者は文章を読み飛ばすようになり、伝えたいことが届きません。会社のサイトであれば、「手を抜いているのでは」という印象を持たれるおそれもあります。
AI文章のクセには、いくつかの決まったパターンがあります。パターンを知っていれば、原稿のどこを直せばよいかがすぐにわかり、編集の時間も短くなります。さらに、AIへの指示の段階でクセを避けてもらうこともできます。
この記事では、AI文章にありがちなクセを「抽象」「誇張」「定型」「構造」の4つに分けて、見つけ方と書き換え例を紹介します。
AI文章によくある4つのクセ
まず、クセの全体像を整理します。原稿を読み返すときは、この4つを意識するだけでも見つけやすくなります。
| クセ | よくある例 | 読者への影響 |
|---|---|---|
| 抽象 | 最適なソリューション、さまざまな課題、価値を提供 | 具体的に何をしてくれるのかがわからない |
| 誇張 | 圧倒的、劇的に、革新的な、あらゆる | 信用できない、根拠がないと感じる |
| 定型 | いかがでしたか、〜と言えるでしょう、〜することが重要です | 読み飛ばされる、機械的な印象を与える |
| 構造 | 毎回3点の箇条書き、同じ語尾の連続、冒頭と結論の繰り返し | 単調で、中身が薄く見える |
クセの種類別:見つけ方と書き換え例
抽象:「何を」「どう」に置き換える
抽象的な言葉は、それ自体が間違いではないため見逃されやすいのが特徴です。見つけ方は、「具体的には?」と問いかけて答えられない言葉に印をつけることです。
- 直す前:「お客様のさまざまな課題に対して、最適なソリューションを提供します」
- 直した後:「受発注をFAXと電話で管理している卸売業の方に、注文をまとめて管理できる仕組みの導入を支援します」
「さまざまな」「最適な」「ソリューション」が、対象者と具体的な支援内容に置き換わっています。置き換えるための情報がない場合は、社内に確認するか、その文自体を削ります。
誇張:根拠のある表現に下げる
AIは文章を魅力的にしようとして、強い形容詞や副詞を多用する傾向があります。「圧倒的」「劇的」「必ず」「誰でも」「あらゆる」などは、検索機能で一括して探すと効率的です。
- 直す前:「導入するだけで、業務効率が劇的に向上します」
- 直した後:「入力作業を一度で済ませられるため、転記の手間を減らせます」
効果の大きさを示したい場合は、社内で確認できる事実を、条件と合わせて書きます。根拠のない最上級や効果の断定は、広告表示のルールに関わる場合もあるため、迷ったら社内の担当者や専門家に確認しましょう。
定型:削っても意味が変わらないなら削る
「〜することが重要です」「〜と言えるでしょう」「いかがでしたか」「〜において」などの決まり文句は、削っても意味が変わらないことがほとんどです。
- 直す前:「Webサイトにおいて、情報を定期的に更新することが重要だと言えるでしょう」
- 直した後:「Webサイトの情報は、定期的に更新しましょう」
文末を言い切るだけで、文章は短く、読みやすくなります。「〜と考えられます」のようなぼかした表現は、本当に断定できない場合にだけ使います。
構造:リズムと分量を崩す
AIの文章は、箇条書きがいつも3点、段落の長さがそろいすぎている、「〜です。〜です。〜です。」と同じ語尾が続く、冒頭で述べたことを最後にもう一度まとめる、といった構造上のクセもあります。項目数は内容に合わせて増減させ、語尾は「〜ます」「〜でしょう」「〜ません」などを混ぜ、重複する要約は削ります。
クセを見つける確認の手順
原稿を一度通して読むだけでは、クセは見逃しがちです。次の順番で、観点ごとに分けて確認すると効率的です。
- 単語で検索する:「最適」「さまざま」「圧倒的」「重要です」など、自社でよく出るクセの言葉を一覧にしておき、検索で洗い出します。
- 文末だけを読む:各文の最後の数文字だけを追い、同じ語尾が3回以上続いていないかを確認します。
- 段落の最初の一文だけを読む:最初の一文で段落の内容がわかるか、同じことを繰り返していないかを確認します。
- 声に出して読む:リズムが単調な箇所や、言いにくい言い回しが見つかります。
手順1の「クセの言葉一覧」は、編集するたびに追加していくと、自社専用の確認リストに育っていきます。
直しすぎにも注意する
クセを意識しすぎると、今度は別の問題が起きることがあります。例えば、抽象的な言葉をすべて消そうとして説明が細かくなりすぎる、言い切りを徹底した結果、条件付きでしか言えないことまで断定してしまう、といったケースです。「必ず改善します」を「改善します」に変えても、根拠がなければ誇張であることに変わりはありません。クセを直す目的は、読者に正確に、わかりやすく伝えることです。言い回しを変えたら、意味や事実が元の原稿から変わっていないかを最後にもう一度確かめましょう。
AIへの指示でクセを減らす
クセの多くは、最初の指示で避けるよう伝えると減らせます。例えば、原稿を頼むときに次のような条件を加えます。
- 「『最適』『さまざま』『圧倒的』『革新的』『〜することが重要です』『〜と言えるでしょう』は使わないでください」
- 「抽象的な表現の代わりに、誰が、何を、どうするのかがわかる具体的な書き方にしてください。具体化するための情報が足りない場合は、推測で補わず【情報不足】と書いてください」
- 「箇条書きの項目数は内容に合わせて決め、3点にそろえる必要はありません」
すでに書かれた原稿を直してもらう場合は、「以下の原稿から、抽象的な表現、根拠のない誇張表現、削っても意味が変わらない定型表現を抜き出し、それぞれ書き換え案を示してください」と頼むと、確認の手間を減らせます。ただし、書き換え案が事実と合っているかは、必ず人が確認してください。
まとめ
AI文章のクセは、抽象、誇張、定型、構造の4つに分けると見つけやすくなります。抽象的な言葉は具体的な事実に置き換え、誇張は根拠のある表現に下げ、定型表現は削り、構造の単調さはリズムと分量を崩して直します。指示の段階で避けたい表現を伝えれば、編集の手間そのものも減らせます。
まずは、自社サイトやAIで作った原稿を3本ほど読み返し、気になった言葉を書き出して「クセの言葉一覧」を作ってみてください。その一覧を次回からAIへの指示と確認の両方に使うことで、原稿の質が少しずつそろっていきます。