WordPressから移行してもSEOを落とさない手順|URL設計・301リダイレクト・構造化データの引き継ぎ
WordPressから別の構成へ移行するとき、検索流入を落とさないための手順を解説します。URLの棚卸しと設計、301リダイレクト、メタ情報や構造化データの引き継ぎ、公開後の確認まで整理します。
WordPressからヘッドレスCMSなど別の構成へサイトを移行するとき、多くの担当者が心配するのが「検索順位が下がらないか」という点です。実際に、移行後に検索からのアクセスが大きく減ってしまうケースは珍しくありません。
その原因の多くは、新しい構成そのものではなく、URLの変更やページ情報の引き継ぎ漏れといった「移行作業の抜け」にあります。逆にいえば、手順を押さえておけば、移行による影響を小さく抑えられる可能性は高まります。
この記事では、WordPressから移行する際にSEO(検索エンジン最適化)を落とさないための手順を、URL設計、301リダイレクト、構造化データの引き継ぎを中心に解説します。なお、検索順位はさまざまな要因で決まるため、どんな手順でも「順位が必ず維持される」とは言い切れない点はあらかじめご了承ください。
移行で検索流入が落ちる主な原因
まず、移行でよく起きる失敗を知っておきましょう。代表的なものは次のとおりです。
- URLが変わり、古いURLが「ページが見つかりません」になる:検索結果や他サイトからのリンクが行き止まりになり、これまでの評価が引き継がれにくくなります
- タイトルや説明文が消える・変わる:WordPressのSEOプラグインで設定していた内容が、移行先に移されていないことがあります
- 構造化データが失われる:プラグインやテーマが自動で出力していた情報が、移行後に出力されなくなります
- ページの中身が減る:移行を機に記事を整理しすぎて、検索から評価されていたページまで削除してしまうケースです
- 検索エンジンにページが見えない:表示をブラウザ側のプログラムだけに頼り、初回の読み込みで本文が出ない構成にすると、内容が正しく読み取られないおそれがあります
これらは、どれも事前の準備と公開後の確認で防ぎやすいものです。
移行前に現状を棚卸しする
最初にやるべきことは、現在のサイトの「資産」を一覧にすることです。次の情報を集めて、表計算ソフトにまとめておきます。
- 全URLの一覧を作る:WordPressのサイトマップ(ページの一覧を記したファイル)や、Googleサーチコンソール(Googleが提供するサイト管理ツール)のデータから、公開中のURLを洗い出します。画像やPDFのURLも忘れずに含めます。
- 重要なページに印を付ける:サーチコンソールの検索パフォーマンスやGA4(Googleアナリティクス4)で、検索からのアクセスや問い合わせにつながっているページを確認します。
- ページごとの情報を控える:タイトル、説明文(メタディスクリプション)、見出し、OGP(SNSで共有されたときの表示情報)の設定を記録します。
- 構造化データを確認する:主要なページをGoogleのリッチリザルトテストで調べ、どんな構造化データが出力されているかを控えます。
- 移行前の数値を保存する:比較用に、移行前の数か月分の表示回数、クリック数、主要ページの順位の目安を保存します。
URL設計と301リダイレクトの進め方
SEOを守るうえで最も大切なのは、URLの扱いです。可能であれば、移行後もURLを変えないのが最も安全です。WordPressの「/news/123/」のようなURL構造を、新しい構成でもそのまま再現できないか、最初に制作会社と検討しましょう。
URLを変える必要がある場合は、301リダイレクト(ページが恒久的に移転したことを検索エンジンとブラウザに伝える転送)を設定します。古いURLと新しいURLの対応表を作り、1ページずつ転送先を決めます。
| 旧URLの例 | 新URLの例 | 対応の考え方 |
|---|---|---|
| /?p=123 | /news/123/ | 同じ内容のページへ1対1で転送する |
| /category/info/ | /news/ | 内容が近い一覧ページへ転送する |
| /wp-content/uploads/2024/05/guide.pdf | /files/guide.pdf | よく見られている資料は転送を設定する |
| /old-campaign/ | (なし) | 終了した内容は、無理に無関係なページへ転送しない |
注意したいのは、すべての古いURLをトップページに転送する方法です。内容が対応していない転送は、検索エンジンから「ページが存在しない」のと同じように扱われることがあり、評価の引き継ぎにはつながりにくいとされています。
リダイレクトの設定場所は構成によって異なります。AWSで配信する場合は、CloudFront(AWSのコンテンツ配信サービス)の関数などで設定する方法が一般的です。どこで、どのように設定するかは、構築を担当する制作会社に確認してください。
メタ情報と構造化データを引き継ぐ
WordPressでは、SEOプラグインが多くの情報を自動で出力していることがあります。移行先ではこれらを自分たちで用意する必要があるため、CMSの入力項目と表示部分の設計に組み込んでおきます。
- ページごとのタイトルと説明文を入力できる項目を、CMS側に用意する
- canonical(正規のURLを検索エンジンに伝える指定)を、各ページで正しく出力する
- OGPの画像と文言を、ページごとに設定できるようにする
- XMLサイトマップを自動で生成し、記事の追加に合わせて更新されるようにする
- robots.txt(検索エンジンの巡回ルールを書くファイル)とnoindexの設定を、本番公開時に見直す
構造化データ(ページの内容を検索エンジンが理解しやすい形で記述したデータ)は、移行前に控えた内容をもとに、同じ種類のものを出力できるようにします。会社情報、記事、パンくずリスト、よくある質問などが代表的です。出力する内容は、実際にページに表示されている情報と一致させてください。
移行前の情報を整理する際は、AIも役立ちます。例えば「以下のWordPressのページ情報一覧をもとに、移行先のCMSで用意すべき入力項目を提案してください」と依頼すると、項目設計のたたき台を作れます。ただし、出力された内容は必ず人が確認し、実際の構成に合っているかを制作会社と確かめてください。
公開直後と公開後の確認
移行は公開して終わりではありません。公開直後と、その後数か月の確認が重要です。
- 対応表のURLにアクセスし、正しいページへ301で転送されるかを確認する
- 重要なページのタイトル、説明文、canonical、構造化データが出力されているかを確認する
- サーチコンソールに新しいサイトマップを送信する
- テスト環境で設定したnoindexが本番に残っていないかを確認する
- サーチコンソールのページのインデックス登録の状況を、週1回程度確認する
- 移行前に保存した数値と、表示回数やクリック数を比較する
移行直後は、検索エンジンが新しいサイトを読み直すため、一時的に数値が揺れることがあります。数週間から数か月の推移を見て判断するのが目安です。リダイレクトの設定は、少なくとも1年程度は残しておくのが無難です。
まとめ
WordPressからの移行でSEOを落とさないためには、URLをできるだけ変えないこと、変える場合は1対1の301リダイレクトを設定すること、そしてSEOプラグインが担っていたメタ情報や構造化データを移行先でも出力することが基本です。
まずは、現在のサイトの全URLと重要ページの一覧づくりから始めてください。その一覧を制作会社と共有し、URLを維持できるかどうかを最初に相談することが、移行を安全に進める第一歩になります。
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