GA4の基本指標とAIで作る月次レポート|見るべき数字と読み解き方
GA4の画面を開いても、どの数字を見ればよいかわからない。そんなWeb担当者向けに、まず押さえたい基本指標と、AIを使って月次レポートを効率よく作る手順を解説します。
GA4(Googleアナリティクス4)を導入したものの、画面を開くたびに数字の多さに圧倒され、結局ほとんど見ていない。そんなWeb担当者は少なくありません。レポートを作るにしても、毎月スクリーンショットを貼り付けて「先月より増えました」と書くだけでは、改善にはつながりません。
GA4で最初に押さえるべき指標は、実はそれほど多くありません。そして、数字の整理や文章化はAIが得意とする作業です。基本指標を理解し、AIに要約を手伝ってもらえば、月次レポートの作成時間は大きく減らせます。
この記事では、GA4の基本指標の意味、中小企業のサイトで毎月見るべき数字、AIを使った月次レポートの作り方と注意点を解説します。KPIの決め方そのものは別の記事で扱っているので、あわせて参考にしてください。
GA4の基本指標を理解する
GA4では、ユーザーの行動を「イベント」という単位で記録します。ページの表示、スクロール、リンクのクリックなどがそれぞれイベントです。この仕組みを前提に、まず次の指標を押さえましょう。
| 指標 | 意味 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| ユーザー数(アクティブユーザー) | 期間中にサイトを訪れた人の数の目安 | サイト全体の集客力を見る基本の数字 |
| セッション数 | 訪問の回数。同じ人が2回来れば2回 | ユーザー数との差が大きければ再訪が多い |
| 表示回数 | ページが表示された回数 | ページ別に見ると人気のページがわかる |
| エンゲージメント率 | 一定時間以上の滞在や複数ページ閲覧など、関心を示した訪問の割合 | 低いページは内容と期待がずれている可能性 |
| キーイベント | 問い合わせ送信など、成果として設定した行動の回数 | サイトの成果を測る最重要の数字 |
キーイベント(以前は「コンバージョン」と呼ばれていたもの)は、自分で設定しないと計測されません。問い合わせ完了ページの表示などを成果として登録しておく必要があります。設定がまだの場合は、制作会社に相談するか、Googleの公式ヘルプを確認しながら進めてください。GA4の画面や名称は更新されることがあるため、最新の情報は公式ヘルプで確認するのが確実です。
中小企業のサイトで毎月見るべき5つの視点
すべてのレポートを毎月見る必要はありません。次の5つの視点に絞れば、サイトの状態は十分に把握できます。
- 全体の推移:ユーザー数、セッション数、キーイベント数の前月比と前年同月比
- 集客チャネル:検索、SNS、広告、他サイトからのリンク、直接訪問など、どこから来たか
- よく見られているページ:表示回数の上位10ページ程度と、その変化
- 成果につながったページ:問い合わせ前に見られていることが多いページ
- デバイス:スマートフォンとパソコンの比率、それぞれのキーイベント数
前年同月との比較を入れておくと、季節による増減と施策による変化を見分けやすくなります。開設から1年未満のサイトでは、前月比と3か月平均との比較で代用するとよいでしょう。
AIで月次レポートを作る手順
数字の取り出しは人が行い、整理と文章化をAIに任せるのが効率的な分担です。次の手順で進めます。
手順1:数字を表にまとめる
GA4の「レポート」や「探索」から、上記5つの視点の数字をスプレッドシートに書き出します。毎月同じ形式の表にしておくと、比較が楽になります。CSV(表形式のデータファイル)で書き出せる画面も多いので活用しましょう。
手順2:AIに要約と気づきを依頼する
表のデータをAIに渡し、次のように依頼します。
- 「以下は当社サイトの今月と先月、前年同月のアクセスデータです。変化の大きい項目を3つ挙げ、考えられる理由の仮説をそれぞれ2つずつ示してください」
- 「このデータをもとに、経営者向けの月次報告を300字程度で作成してください。専門用語は使わず、良かった点、課題、来月やることの順で書いてください」
- 「ページ別のデータから、表示回数は多いのにエンゲージメント率が低いページを抽出し、改善の方向性を提案してください」
手順3:社内の事情と照らして編集する
AIが挙げる理由は、データだけから推測した仮説にすぎません。「先月は展示会があった」「ニュースリリースを出した」「広告を止めた」といった社内の出来事はAIにはわかりません。施策の記録と照らし合わせ、事実に合わない仮説は削除し、根拠のある説明に書き直してください。
手順4:来月のアクションを決める
レポートの最後には、必ず「来月やること」を1〜3個書きます。数字の報告で終わらせず、改善の行動につなげることがレポートの目的です。
AIにデータを渡すときの注意点
- 個人を特定できる情報を含めない:GA4の標準データには通常、氏名などは含まれませんが、問い合わせ内容など他のデータと組み合わせる場合は注意が必要です。社内の情報管理ルールに従ってください。
- 計算はAI任せにしない:AIは前月比などの計算を誤ることがあります。増減率はスプレッドシートの関数で計算し、AIには解釈だけを任せるのが安全です。
- 数字の定義を伝える:「キーイベントは問い合わせフォームの送信完了を指す」のように、指標の意味を添えて渡すと、見当違いの解釈を減らせます。
また、AIに渡したデータや指示文は、毎月同じものを使い回せるように保存しておきましょう。担当者が替わっても同じ品質のレポートが作れるようになります。
月次レポートのテンプレート
毎月同じ構成にしておけば、作成も読む側の理解も楽になります。以下の構成が目安です。
- 今月のサマリー(3行程度)
- 主要指標の表(ユーザー数、セッション数、キーイベント数、前月比、前年同月比)
- 集客チャネル別の推移
- 注目ページ(伸びたページ、落ちたページ)
- 今月実施した施策と結果
- 来月のアクション
このテンプレートをAIに渡し、「このテンプレートに沿って、以下のデータからレポートの下書きを作成してください」と依頼すれば、毎月の作業はデータの準備と確認だけで済むようになります。
まとめ
GA4の指標は多いものの、中小企業のサイトで毎月見るべき数字は限られています。基本指標の意味を押さえ、5つの視点で数字を整理し、AIに要約と仮説出しを任せれば、月次レポートは短時間で作れます。ただし、AIの解釈は必ず社内の事実と照らし合わせて編集してください。
まずは、問い合わせ完了がキーイベントとして正しく計測されているかを確認しましょう。そのうえで、先月分のデータを表にまとめ、AIに要約を依頼するところから始めてみてください。