Webサイトの月次運用チェックリスト|毎月1時間で確認する30項目
サイトの不具合や情報の古さは、気づかないうちに信頼を損ないます。毎月1時間程度で確認できる運用チェックリストを、表示・内容・数値・技術の4分野に分けて紹介します。
問い合わせフォームが数週間前から送信できなくなっていた。終了したキャンペーンの告知が残ったままだった。取引先から指摘されて初めて気づいた。こうしたトラブルは、定期的な確認の仕組みがあればほとんど防げます。
とはいえ、日々の業務の合間にサイトの隅々まで確認するのは現実的ではありません。おすすめは、確認項目をあらかじめ決めておき、毎月決まった日に1時間程度で一通り見る方法です。
この記事では、中小企業のサイトで毎月確認したい30項目を、表示・内容・数値・技術の4分野に分けて紹介します。チェックリストの運用方法と、AIを使った効率化のコツもあわせて解説します。
月次チェックを習慣にする準備
チェックを確実に続けるため、最初に次の3点を決めておきましょう。
- 実施日:「毎月第1営業日」「毎月10日」のように固定し、カレンダーに繰り返しの予定として登録します。
- 担当者と代理:担当者が不在のときに代わる人も決めておきます。
- 記録の場所:チェック結果を残すスプレッドシートを用意し、項目ごとに「問題なし」「要対応」「対応済み」を記録します。
以下のチェックリストをそのままスプレッドシートに貼り付け、自社に合わない項目は削り、必要な項目を追加して使ってください。
毎月確認する30項目のチェックリスト
表示のチェック(8項目)
パソコンとスマートフォンの両方で、主要なページを実際に開いて確認します。
- トップページが正常に表示されるか
- 主要なサービスページで画像が表示されているか
- スマートフォンで文字やボタンが小さすぎず、横にはみ出していないか
- グローバルメニュー(全ページ共通のメニュー)のリンクがすべて正しく動くか
- 問い合わせフォームからテスト送信し、自動返信メールと社内通知が届くか
- 電話番号をスマートフォンでタップすると発信画面になるか
- ページの表示が極端に遅くなっていないか
- ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示され、警告が出ていないか
特に5番のフォームのテスト送信は重要です。サーバーの設定変更やプラグインの更新で、気づかないうちにメールが届かなくなることがあります。
内容のチェック(8項目)
情報が古いままのサイトは、訪問者に「この会社は営業しているのだろうか」という不安を与えます。
- 最新のお知らせの日付が古くなりすぎていないか
- 終了したキャンペーンやイベントの告知が残っていないか
- 営業時間、休業日の案内が最新か(長期休暇の前は特に注意)
- 採用ページの募集内容が現在の状況と合っているか
- 会社概要の役員、所在地、従業員数などが最新か
- 料金表やサービス内容に変更がないか
- フッターの著作権表記の年や、記載された年号が古くないか
- リンク切れ(リンク先のページが存在しない状態)がないか
リンク切れは、ページ数が多いと目視では確認しきれません。リンクチェックの機能を持つツールやCMSの機能を活用すると効率的です。
数値のチェック(7項目)
GA4などのアクセス解析で、前月との変化を確認します。詳しい分析は月次レポートで行うとして、ここでは異常がないかを素早く見ることが目的です。
- ユーザー数が前月や前年同月と比べて極端に増減していないか
- 問い合わせなどのキーイベント数が計測されているか(急にゼロになっていないか)
- よく見られているページの上位に大きな変動がないか
- 集客チャネル(検索、SNS、広告など)の比率に大きな変化がないか
- Google Search Consoleで、重大なエラーの通知が来ていないか
- 問い合わせの件数とGA4の計測値に大きなずれがないか
- KPIの目標に対する進み具合はどうか
キーイベントが急にゼロになった場合は、問い合わせが本当にゼロなのか、計測の設定が外れたのかを切り分けます。実際の問い合わせメールの件数と照らし合わせるのが手早い方法です。
技術・保守のチェック(7項目)
技術的な項目は、制作会社などに保守を委託している場合、作業報告を受けて確認するだけでも構いません。
- CMS本体、テーマ、プラグインに未適用の更新がないか
- バックアップが正常に取得されているか
- SSL証明書(通信を暗号化する仕組み)の有効期限が近づいていないか
- ドメインとサーバーの契約更新日が近づいていないか
- 管理画面に見覚えのないユーザーが追加されていないか
- サーバーの容量が上限に近づいていないか
- 不審なスパム投稿やフォームからのいたずら送信が急増していないか
ドメインやサーバーの契約切れは、サイトが突然表示されなくなる深刻なトラブルにつながります。更新日を一覧にしておき、毎月残りの期間を確認しましょう。
要対応の項目を処理するルール
チェックで問題が見つかったときに、誰がいつまでに対応するかが決まっていないと、記録だけが残って放置されてしまいます。次のように緊急度を分けておくと判断が早くなります。
- すぐ対応:フォームが送信できない、サイトが表示されない、警告が出ているなど、問い合わせや信頼に直結するもの。当日中に担当者か制作会社へ連絡します。
- 今月中に対応:古い告知、リンク切れ、情報の誤りなど。月内の更新作業に組み込みます。
- 次回検討:数値の変化など、すぐに原因がわからないもの。月次の振り返りで扱います。
AIでチェック作業を効率化する
チェックそのものは人が行う必要がありますが、記録の整理や対応の検討にはAIが役立ちます。
- 「以下は今月のサイト運用チェックの結果です。要対応の項目を、緊急度の高い順に並べ、それぞれの対応方法の候補を示してください」
- 「チェック結果をもとに、上司向けの報告を5行以内でまとめてください」
- 「当社サイトは採用ページとサービスページが中心です。このチェックリストに追加したほうがよい項目があれば提案してください」
AIの提案した対応方法は、実際に実施する前に、制作会社や詳しい人に確認してください。特にサーバーやCMSの設定に関わる内容は、誤った操作がサイト全体に影響することがあります。
まとめ
月次の運用チェックは、表示・内容・数値・技術の4分野を、毎月決まった日に決まった項目で確認することで習慣になります。小さな異常を早めに見つけることが、大きなトラブルや信頼の低下を防ぐ一番の方法です。
まずはこの記事の30項目をスプレッドシートに書き写し、自社に合わせて調整したうえで、来月の第1営業日に最初のチェックを予定に入れてみてください。