問い合わせを増やすサイト改善の進め方|課題発見から検証までの4段階
問い合わせを増やしたいけれど、どこから手を付ければよいかわからない。思いつきの修正をやめ、課題の発見、仮説、優先順位づけ、検証の順で改善を回す方法を解説します。
「サイトからの問い合わせを増やしたい」。多くの会社に共通する目標ですが、実際の改善は「ボタンの色を変えてみよう」「トップページの写真を新しくしよう」といった思いつきで進みがちです。その結果、何が効いたのかわからないまま、修正だけが積み重なっていきます。
問い合わせ(CV:コンバージョン。サイト上の成果となる行動のこと)を安定して増やすには、改善を一つの流れとして回す必要があります。課題を見つけ、原因の仮説を立て、優先順位をつけて実行し、結果を検証する。このサイクルを繰り返すことが近道です。
この記事では、改善の全体像を4つの段階に分けて解説し、各段階でAIをどう活用できるかを紹介します。A/Bテストやヒートマップ、フォーム改善といった個別の手法は別の記事で詳しく扱うため、ここでは改善全体の進め方に焦点を当てます。
問い合わせが増えない理由を分解する
問い合わせ件数は、次のような掛け算で考えると課題の場所が見えやすくなります。
問い合わせ件数=訪問数×サービスページへの到達率×フォームへの到達率×フォームの完了率
どこかの段階で大きく減っていれば、そこが最初に手を付けるべき場所です。例えば、訪問数は多いのにサービスページまで進む人が少ないなら、トップページや記事からの導線に課題があると考えられます。フォームまでは来ているのに送信されないなら、フォームそのものに課題がある可能性が高いでしょう。
訪問数を増やす施策(検索対策や広告)は効果が出るまで時間がかかることも多いため、まずは今ある訪問者を問い合わせにつなげる改善から始めるのが効率的です。
改善を回す4つの段階
ここからは、課題の発見から検証までの流れを、4つの段階に分けて順に見ていきます。
段階1:課題を見つける
課題は、数字と現場の声の両方から探します。
- アクセス解析:GA4で、サービスページやフォームページの閲覧数、そこからの離脱の多さを確認します。
- ユーザー行動の観察:ヒートマップツール(ページのどこがよく見られ、クリックされているかを色で示すツール)で、読まれていない部分や押されていないボタンを確認します。
- 営業・窓口の声:「問い合わせ時によく聞かれる質問」「電話で確認される内容」は、サイトに足りない情報のヒントです。
- 自分たちで使ってみる:スマートフォンで、初めて訪れた人のつもりで問い合わせまで進んでみます。迷った場所や面倒に感じた場所を記録します。
営業担当へのヒアリングでは、「問い合わせてきたお客様は、サイトのどのページを見てきたと言っていたか」「問い合わせに至らなかった見込み客は、何を気にしていたか」といった質問が役立ちます。数字だけでは見えない、訪問者の迷いや不安が浮かび上がってきます。
見つけた課題は、思いつく限りスプレッドシートに書き出しておきましょう。この段階では質より量を重視します。
段階2:仮説を立てる
課題ごとに「なぜそうなっているのか」「どう変えれば改善するか」を仮説として書きます。仮説は「〇〇なので、△△すれば、□□が増えるはず」という形にすると、後で検証しやすくなります。
例えば「料金の目安がどこにも書かれていないので、料金ページを追加すれば、問い合わせ前の不安が減り、フォームへの到達率が上がるはず」といった具合です。
仮説出しはAIの得意分野です。次のように依頼すると、自分たちだけでは思いつかない視点が得られます。
- 「BtoBの設備保守サービスのサイトで、サービスページの閲覧は多いのに問い合わせが少ない状況です。考えられる原因を、訪問者の心理の観点から10個挙げてください」
- 「以下のサービスページの文章を読み、初めて訪れた人が問い合わせをためらいそうな点を指摘してください」
AIが出した仮説は、あくまで候補です。営業担当や現場の感覚と照らし合わせ、自社の状況に合うものを選んでください。
段階3:優先順位をつけて実行する
仮説がたくさん出たら、すべてに手を付けるのではなく、優先順位をつけます。次の3つの観点で、それぞれ3段階で評価するのが簡単な方法です。
| 観点 | 評価の考え方 |
|---|---|
| 効果の大きさ | 問い合わせ件数への影響が大きそうか。多くの人が通るページほど影響は大きい |
| 確信度 | データや顧客の声など、仮説を裏付ける根拠があるか |
| 手軽さ | 社内ですぐに実行できるか。費用や時間がどの程度かかるか |
3つの評価を合計し、点数の高いものから着手します。一度に多くの変更を加えると、どの変更が効いたのかわからなくなるため、同じページへの変更は1〜2個ずつにとどめるのが目安です。
実行する際は、変更内容と実施日を必ず記録してください。「いつ、どのページの、何を変えたか」がわからないと、次の段階で検証できません。
段階4:結果を検証して次につなげる
変更後、一定期間たってから効果を確認します。訪問数の少ないサイトでは、数日では差が出ないことが多いため、2〜4週間程度を目安に様子を見ます。
- 変更前と変更後の同じ長さの期間で、対象の数字(フォーム到達率、問い合わせ件数など)を比較する
- 広告の出稿状況や季節要因など、変更以外の影響がなかったかを確認する
- 仮説が正しかったか、違っていたかを記録する
- 効果があったものは他のページにも展開し、効果がなかったものは元に戻すか別の仮説を試す
前後比較は手軽ですが、外部要因の影響を受けやすい点に注意が必要です。より厳密に確かめたい場合は、A/Bテストを検討します。
うまくいかなかった施策も、立派な学びです。「料金の目安を載せても問い合わせは変わらなかった」という結果は、課題が別の場所にあることを示しています。結果を記録して共有し、次の仮説に生かしてください。
改善を習慣にするための仕組み
- 月に1回、30分程度の改善会議を開き、前月の結果確認と次の施策決定を行う
- 課題と仮説、実施内容、結果を1つのシートで管理する
- 営業や窓口担当者から、顧客の声を集める仕組みを作る
- AIで作った改善案の文章は、必ず人が事実確認してから公開する
まとめ
問い合わせを増やす改善は、課題の発見、仮説、優先順位づけと実行、検証という4つの段階を繰り返すことで成果につながります。AIは仮説出しや文章の見直しで心強い味方になりますが、選ぶのも確かめるのも人の役割です。
まずは、自社サイトの問い合わせまでの流れを掛け算で分解し、どの段階で最も人が減っているかを確認してみてください。そこが最初の改善ポイントです。