表示速度とCore Web Vitals|3つの指標の見方と改善の進め方
ページの表示速度や操作のしやすさは、利用者の満足度に直結します。GoogleのCore Web Vitalsの3つの指標の意味と目安、確認に使うツール、AIで作ったサイトで起きやすい問題と改善の手順を解説します。
「スマートフォンで自社サイトを開くと、表示されるまで少し待たされる」「読み込み中にボタンの位置がずれて、違うところを押してしまう」。こうした体験は、訪問者が問い合わせをせずに離れてしまう原因になります。
Googleは、ページの表示速度や操作のしやすさを測る指標として、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)を定めています。検索順位を決める要素の一つとして使われていますが、Googleは、関連性の高い内容があることのほうが重要だという趣旨の説明もしています。速度だけで順位が決まるわけではないものの、利用者の体験を良くするという意味で、取り組む価値は高い分野です。
この記事では、Core Web Vitalsの3つの指標の意味と目安、確認の方法、AIやノーコードツールで作ったサイトで起きやすい問題、そして改善を進める手順を解説します。
Core Web Vitalsの3つの指標
Core Web Vitalsは、次の3つの指標で構成されています。いずれも、実際にサイトを訪れた利用者の環境で測ったデータのうち、75パーセンタイル(遅い方から4分の1あたりの値)で評価されるのが基本です。
| 指標 | 測っていること | 「良好」の目安 |
|---|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | ページ内の最も大きな画像や文章のかたまりが表示されるまでの時間 | 2.5秒以内 |
| INP(Interaction to Next Paint) | ボタンを押すなどの操作をしてから、画面が反応するまでの時間 | 200ミリ秒以内 |
| CLS(Cumulative Layout Shift) | 読み込み中にレイアウトが予期せずずれる度合い | 0.1以下 |
INPは、2024年に以前の指標であるFID(First Input Delay)に代わって採用されました。古い解説記事ではFIDが紹介されていることがあるため注意してください。目安の数値は2026年時点の一般的な情報です。最新の基準はGoogleの公式情報で確認してください。
確認に使うツールと見方
Core Web Vitalsは、無料のツールで確認できます。それぞれ見られる情報が異なるため、使い分けると便利です。
- Search Consoleのウェブに関する主な指標レポート:サイト全体で、改善が必要なURLのグループを確認できます。まず全体像をつかむのに向いています。
- PageSpeed Insights:URLを入力すると、実際の利用者のデータ(十分なアクセスがある場合)と、その場で計測した結果、改善の提案が表示されます。
- ブラウザの開発者ツール:制作担当者が、原因を詳しく調べるときに使います。
PageSpeed Insightsでは、実際の利用者のデータと、ツールがその場で計測したデータの2種類が表示されます。順位の評価に関係するのは前者の実データです。その場の計測のスコアは改善のヒントとして使い、点数そのものを追いかけすぎないようにしましょう。アクセスの少ないページでは実データが表示されないこともあります。
AIやノーコードで作ったサイトで起きやすい問題
生成AIでコードを書いたり、ノーコードツールで手軽にサイトを作ったりできるようになった一方で、速度の面で次のような問題が起きやすくなっています。
- 大きすぎる画像:画像生成AIで作った高解像度の画像を、圧縮せずにそのまま掲載している
- 不要なプログラムの読み込み:AIが提案したライブラリや、試しに入れた外部サービスのタグが残ったままになっている
- サイズ指定のない画像や埋め込み:読み込み後に高さが決まり、レイアウトがずれる(CLSの悪化)
- アニメーションの多用:動きのある演出が操作の反応を遅くする(INPの悪化)
- プラグインの入れすぎ:WordPressなどで、機能ごとにプラグインを追加し続けている
AIが書いたコードは動作はしても、表示速度まで考慮されているとは限りません。公開前に、少なくとも主要なページをPageSpeed Insightsで確認する習慣をつけておくと安心です。
改善を進める手順
表示速度の改善は、やみくもに手をつけるより、影響の大きいページから順に進めるのが効率的です。
- 対象ページを決める:Search Consoleのレポートで「不良」「改善が必要」とされたURLのうち、アクセスや問い合わせの多いページを優先します。
- 原因を確認する:PageSpeed Insightsで、どの指標が悪いのか、どんな改善提案が出ているのかを確認します。
- すぐできる対策から行う:画像の圧縮と適切なサイズへの変更、使っていないプラグインや外部タグの削除、画像や埋め込みへのサイズ指定などです。
- 制作担当者と相談する:サーバーの性能、テーマやテンプレートの構造など、専門的な対応が必要なものは制作会社や担当エンジニアに依頼します。
- 効果を確認する:実データは一定期間の集計のため、反映には数週間程度かかるのが目安です。改善後しばらくしてから再確認します。
AIに相談するときは、PageSpeed Insightsの改善提案の文章を貼り付け、「この改善提案を、専門知識のない担当者向けに説明し、自分でできる対策と制作会社に依頼すべき対策に分けてください」と依頼すると、社内での整理に役立ちます。ただし、コードの変更は影響範囲を確認したうえで、テスト環境で試してから本番に反映してください。
発注時・リニューアル時に確認したいこと
制作会社にサイト制作やリニューアルを依頼する場合は、表示速度についても事前に取り決めておくと、公開後のトラブルを防げます。
- 主要ページでCore Web Vitalsの目安を満たすことを目標にするか
- 画像の最適化(圧縮、適切な形式やサイズ)を誰が担当するか
- 公開前の速度の確認を、どのツールで、どのページについて行うか
- 公開後に画像やプラグインを追加するときの社内ルール
特に最後の項目は重要です。公開時に速くても、運用中に大きな画像や外部タグを追加していくうちに遅くなるケースはよくあります。
まとめ
Core Web Vitalsは、表示の速さ(LCP)、操作への反応(INP)、レイアウトの安定性(CLS)の3つで、利用者の体験を測る指標です。検索順位に関わる要素の一つですが、何より訪問者が快適に使えるサイトにすることが本来の目的です。AIやノーコードで作ったサイトでは、画像や不要なプログラムが原因になりやすいため注意しましょう。
まずはSearch Consoleでウェブに関する主な指標レポートを開き、改善が必要なURLがあるかを確認してください。問い合わせにつながる重要なページから、画像の圧縮と不要なプラグインの整理に取りかかりましょう。