キーワード調査にAIを使う方法|候補出しから検索意図の整理まで
キーワード調査は、生成AIを使うと候補出しや分類の手間を大きく減らせます。一方で、AIは検索回数などの実データを持っていません。AIとツールの役割分担、具体的な手順とプロンプト例を紹介します。
サイトに新しいページを作るとき、「どんな言葉で検索されているのか」を調べるのがキーワード調査です。重要だと分かっていても、専用ツールの使い方が難しい、候補が多すぎて整理しきれない、と後回しになっている方も多いのではないでしょうか。
生成AIを使うと、キーワードの候補を広げたり、検索する人の目的ごとに分類したりする作業を大幅に効率化できます。ただし、AIは実際の検索回数や競合の状況といったデータを持っているわけではありません。AIの得意なことと、データで確かめるべきことを分けて考える必要があります。
この記事では、キーワード調査におけるAIとツールの役割分担、具体的な手順とプロンプト例、そして注意点を解説します。
キーワード調査で明らかにしたいこと
キーワード調査の目的は、単に検索回数の多い言葉を探すことではありません。自社の顧客が、どんな悩みを持ち、どんな言葉で検索しているのかを把握し、それに答えるページを用意するための材料を集めることです。
そのために重要なのが「検索意図」です。検索意図とは、その言葉で検索する人が何を知りたいのか、何をしたいのかという目的のことです。例えば「エアコン 掃除 業者」で検索する人は業者を探していますが、「エアコン 掃除 自分で」で検索する人は自分で掃除する方法を知りたいと考えられます。同じテーマでも、意図が違えば用意すべきページは変わります。
検索意図をつかまずにページを作ると、検索結果に表示されても読者の求める内容とずれてしまい、成果につながりにくくなります。例えば、業者を探している人に向けて、自分で掃除する手順を長々と説明しても、問い合わせにはつながりません。キーワード調査は、「どの言葉で」「どんな目的の人に」「どのページで答えるか」を決めるための作業だと考えると、やるべきことが整理しやすくなります。
AIとツールの役割分担
キーワード調査の作業を、AIが得意なことと、ツールや人が担うべきことに分けると次のようになります。
| 作業 | 向いている手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 候補の洗い出し | AI | 顧客の立場に立った言い換えや関連する悩みを幅広く挙げられる |
| 検索意図の分類 | AI+人の確認 | 大量の候補を目的別に分けるのは得意。ただし業界特有の事情は人が補う |
| 検索回数の確認 | キーワードツール | AIは実際の検索データを持っておらず、数字を出しても推測にすぎない |
| 自社サイトの現状把握 | Search Console | 実際にどの言葉で表示・クリックされているかが分かる |
| 実際の検索結果の確認 | 人 | 上位にどんなページが並んでいるかを見て、意図を確かめる |
| 優先順位の決定 | 人 | 事業の方針や顧客像と照らし合わせて判断する |
AIに「このキーワードの月間検索数は?」と尋ねると、もっともらしい数字が返ってくることがありますが、根拠のある数字とは限りません。検索回数は、Google広告のキーワードプランナーなどのツールで確認しましょう。ツールの利用条件や表示される数値の細かさは変わることがあるため、各社の公式情報を確認してください。
AIを使ったキーワード調査の手順
次の手順で進めると、AIの効率とデータの確かさを両立できます。
- 前提情報を整理する:自社のサービス、対象地域、主な顧客像、よく受ける質問を簡単にまとめます。
- AIで候補を広げる:前提情報を渡して、顧客が使いそうな検索語を幅広く挙げてもらいます。
- Search Consoleのデータを加える:すでに表示されている検索語を書き出し、AIの候補と合わせます。
- AIで検索意図ごとに分類する:「調べたい」「比べたい」「依頼・購入したい」など、目的別にグループ分けします。
- ツールで検索回数を確認する:主要な候補について、検索ボリュームの目安を確認します。
- 実際に検索して確かめる:主要な語を検索し、上位のページの種類(解説記事、サービスページ、地図など)を見て、意図の分類が正しいかを確認します。
- 優先順位を決める:事業への貢献度、自社が答えられる内容か、既存ページで対応できるかを考えて決めます。
そのまま使えるプロンプト例
手順2と4で使えるプロンプトの例を紹介します。〇〇の部分は自社の情報に置き換えてください。
- 「当社は〇〇市で〇〇のサービスを提供しています。主な顧客は〇〇です。このサービスを検討している人が、検討の初期段階から依頼の直前までに検索しそうな語句を、段階ごとに20個ずつ挙げてください。検索回数の数字は不要です」
- 「次のキーワード一覧を、検索意図ごとに『情報を知りたい』『比較・検討したい』『依頼・購入したい』『特定の会社を探している』に分類し、表にしてください。判断が難しいものは理由を添えてください」
- 「次のキーワードのグループごとに、どんな内容のページで答えるのが適切か、ページの種類と含めるべき情報を提案してください。同じページで対応できるグループはまとめてください」
3つ目のプロンプトは、似たキーワードごとに別々のページを作ってしまう失敗を防ぐのに役立ちます。意図が同じなら、1つの充実したページでまとめて答えるほうが、読者にとっても分かりやすくなります。
注意したいポイント
AIを使ったキーワード調査では、次の点にも気をつけましょう。
- AIの候補は一般論に偏りやすい。実際の顧客の言葉(問い合わせメールや営業の会話)を必ず加える
- 地域名や業界用語は、AIが実態とずれた表現を出すことがある。社内で使われる言葉と顧客が使う言葉の違いにも注意する
- 検索ボリュームが大きい語ほど競合も多い。中小企業は、対象が絞られた具体的な語から取り組むほうが成果につながりやすい傾向がある
- キーワードの数だけページを作るのではなく、検索意図ごとにページを設計する
- 顧客情報や問い合わせ内容をAIに渡す場合は、個人が特定できる情報を取り除く
最後の点は特に重要です。社内ルールで、AIに入力してよい情報の範囲を確認してから作業を始めてください。
まとめ
キーワード調査にAIを使うと、候補の洗い出しや検索意図の分類を効率よく進められます。一方で、検索回数などの実データはAIではなく、キーワードツールやSearch Consoleで確認する必要があります。AIで広げ、データで確かめ、人が優先順位を決める、という役割分担が基本です。
まずは、自社の主力サービスを1つ選び、上のプロンプト例で候補を出してみてください。Search Consoleで実際に表示されている検索語と比べると、まだページで答えられていない顧客の悩みが見えてくるはずです。