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デザイン・UI読了 6分

AIっぽい「どこかで見たデザイン」を避ける工夫|自社らしさを残す5つの視点

AIで作ったサイトがどこかで見たような印象になる理由と、その避け方を解説します。自社だけの素材の集め方、AIへの指示の出し方、定番の崩し方、公開前に確認したい入れ替えテストのチェックリストまでまとめました。

AIやテンプレートを使うと、短時間で整ったデザインのサイトが作れるようになりました。一方で、「きれいだけど、どこかで見たことがある」「会社名を入れ替えても成り立ってしまう」と感じるサイトが増えているのも事実です。

整っているのに印象に残らないサイトは、比較検討の場面で選ばれにくくなります。訪問者は複数の会社のサイトを見比べているため、似たようなデザインが並ぶと、違いが伝わらないからです。

この記事では、AIを使いながらも「どこかで見たデザイン」を避けるための考え方と、具体的な工夫を5つの視点で紹介します。

なぜAIを使うと似たデザインになるのか

生成AIは、大量のデータから「よくあるパターン」を学習しています。そのため、特に指示がなければ、最も平均的で無難な答えを返す傾向があります。デザインに関しても同じで、次のような要素が「AIっぽさ」として目につきやすくなります。

  • 大きな見出しと短いキャッチコピー、その下に3つ並んだ特徴カード
  • 青や紫のグラデーション背景
  • 笑顔の人物がパソコンを囲む、整いすぎた画像
  • 「革新的な」「最適な」「あなたのビジネスを次のステージへ」といった抽象的な言葉

これらは一つひとつが悪いわけではありません。問題は、自社ならではの情報がないまま、平均的な要素だけで画面が組み立てられてしまうことです。

素材と指示で差をつける

視点1:自社だけの素材を先に集める

「どこかで見たデザイン」を避ける最も確実な方法は、他社が持っていない素材を使うことです。AIに頼る前に、次のような素材を集めましょう。

  • 実際の社員、職場、仕事の道具や現場の写真
  • 創業の経緯や、仕事へのこだわりを語った社長や社員の言葉
  • 顧客からよく言われる言葉、よく受ける質問
  • 自社で使っている独自の用語や、業務の進め方の図

これらの素材は、AIには生み出せません。素材がそろえば、デザインは自然と自社らしくなります。素材集めは、社員への短いヒアリングから始めると効率的です。「この仕事で一番気をつけていることは何か」「お客様に驚かれたことは何か」といった質問を5つほど用意し、15分ずつ話を聞くだけでも、サイトに使える言葉がたくさん見つかります。聞き取った内容をAIで要約・整理してもらうのはよい使い方ですが、言葉のニュアンスが変わっていないかは本人に確認してください。

視点2:AIへの指示に「制約」と「固有情報」を入れる

AIに「おしゃれなトップページを提案して」と頼むと、平均的な答えが返ってきます。指示に自社の固有情報と制約を入れると、出力の幅が変わります。

  • 悪い例:「信頼感のある製造業のトップページを提案してください。」
  • 良い例:「当社は創業40年の金属加工会社で、少量・短納期の試作品を得意としています。顧客からは『図面が曖昧でも相談に乗ってくれる』とよく言われます。この強みが一目で伝わるトップページの構成を提案してください。ただし、特徴を3つのカードで並べる構成と、抽象的なキャッチコピーは避けてください。」

「避けてほしいこと」を明示するのがポイントです。AIは指示がなければ定番に戻ろうとするため、定番を意識的に外す指示が効果的です。

見せ方と言葉で差をつける

視点3:定番の構成を一か所だけ崩す

すべてを独自にする必要はありません。むしろ、ナビゲーションの位置やボタンの形など、使いやすさに関わる部分は定番に従う方が親切です。おすすめは、「印象を決める一か所」だけを意識的に変えることです。

崩す場所の例 具体的な工夫
ファーストビュー(最初に見える画面) キャッチコピーの代わりに、仕事の現場写真と一言の事実を置く
強みの見せ方 3つのカードではなく、仕事の流れに沿った図で見せる
実績の見せ方 ロゴの羅列ではなく、1件を深く紹介する
言葉 業界の決まり文句ではなく、顧客の実際の言葉を見出しにする

どこを崩すかは、トンマナで決めた「最も伝えたい印象」と結びつけて選ぶと、ちぐはぐになりません。崩した部分が読みにくくなったり、操作に迷う原因になったりしていないかは、実際にスマホで触って確かめましょう。個性と使いやすさがぶつかった場合は、使いやすさを優先するのが基本です。

視点4:言葉を具体的にする

デザインの印象は、見た目だけでなく言葉にも大きく左右されます。AIが生成した文章には抽象的な表現が多く含まれがちです。次のように言い換えを検討しましょう。

  • 「高品質なサービス」→ 何をどう確認しているから品質が高いのかを書く
  • 「迅速な対応」→ 問い合わせから何営業日以内に返信するのかを、実態に即して書く
  • 「お客様に寄り添う」→ 実際に寄り添った場面を一つ、具体的に書く

具体的な言葉は、それだけで他社との違いを生みます。数字を使う場合は、実態と合っているかを必ず確認し、誇張しないよう注意してください。

AIに文章の手直しを頼むときも、「抽象的な表現を見つけて指摘し、具体化するために必要な情報を質問してください」と依頼するのがおすすめです。AIに言い換えさせるのではなく、自社の事実を引き出す聞き役にすると、ありきたりな言葉で埋められるのを防げます。

視点5:公開前に「入れ替えテスト」をする

最後に、完成したデザインを客観的に確認する方法を紹介します。次のチェックリストで点検してみてください。

  1. トップページの会社名を同業他社の名前に入れ替えても、違和感なく成立しないか
  2. ファーストビューに、自社にしかない写真・言葉・事実が少なくとも1つあるか
  3. AIが生成した抽象的な言葉が、そのまま見出しに残っていないか
  4. 画像が素材サイトやAI画像だけで構成されていないか
  5. 競合3社のサイトと並べたとき、違いを一言で説明できるか

1つ目の「入れ替えテスト」で成立してしまう場合は、自社らしさが不足しているサインです。どこに固有の情報を足せるか、社内で話し合ってみましょう。

まとめ

AIを使ったデザインが似通ってしまうのは、AIが平均的な答えを返す仕組みだからです。自社だけの素材を先に集め、指示に固有情報と制約を入れ、定番を一か所だけ崩し、言葉を具体的にすることで、AIの効率を保ちながら自社らしさを残せます。

次にやることとして、まずは自社のトップページ(または作成中のデザイン案)で「入れ替えテスト」をしてみてください。成立してしまう箇所が見つかったら、そこが自社らしさを足すべき最優先の場所です。

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