はじめてのAI活用サイト制作の進め方|準備から公開までの7ステップ
AIを使ってWebサイトを作りたいけれど、何から始めればよいか分からない担当者に向けて、現状の確認から公開後の運用までを7つのステップで解説します。各ステップで使えるプロンプト例と確認ポイントつきです。
「AIでサイトを作れるらしいので、やってみてほしい」と社内で任されたものの、何から手をつければよいのか分からない。そんな状況にいる担当者の方は多いのではないでしょうか。AIのツールを開いてみても、最初に何を聞けばよいのか迷ってしまうものです。
AIを使ったサイト制作で大切なのは、いきなりAIに「サイトを作って」と頼むことではなく、AIに渡す前の準備を整えることです。準備ができていれば、AIは各工程で頼りになる相棒になります。
この記事では、はじめてAIを活用してWebサイトを作る・作り直す担当者に向けて、準備から公開後の運用までを7つのステップに分けて解説します。制作会社に依頼する場合も、社内で作る場合も使える進め方です。
全体の流れ:7つのステップ
まずは全体像を確認しましょう。前半の3ステップが準備、後半の4ステップが制作と公開です。
- 今のサイトと現状の課題を確認する
- 目的と読者を決める
- 自社の材料を集める
- 進め方(内製・外注・組み合わせ)を決める
- 小さく試作する
- 本制作と確認を行う
- 公開し、運用のルールを決める
はじめての場合、多くの人がステップ5から始めようとしますが、ステップ1〜3を飛ばすと、AIの出力が一般論ばかりになり、手戻りが増える原因になります。準備にかける時間は、制作全体の時間を短くする投資だと考えてください。
ステップ1〜3:AIに渡す前の準備
ステップ1:今のサイトと課題を確認する
既存のサイトがある場合は、まず今のサイトのページ一覧を書き出し、「問い合わせが少ない」「情報が古い」「スマートフォンで見にくい」など、困っていることを整理します。社内の数人に「今のサイトの不満」を聞いてみるのも効果的です。新しく作る場合は、名刺やパンフレットなど、今お客様に会社を説明している手段を確認します。
ステップ2:目的と読者を決める
「誰に、何を伝え、どんな行動をしてもらいたいか」を一文で書きます。目的が複数ある場合は、優先順位をつけます。例えば「地域で住宅の修繕を考えている40〜60代の持ち主に、施工の丁寧さを知ってもらい、無料点検の申し込みにつなげる」のように、具体的な読者像と行動まで書くのがコツです。この一文が、以降のすべての判断とAIへの指示の基準になります。
ステップ3:自社の材料を集める
会社案内、営業資料、実績、お客様の声、よくある質問、社員の写真などを一か所に集めます。AIは自社のことを知らないため、ここで集めた材料がサイトの中身の質を決めます。社外に出してよい情報かどうかも、このときに確認しておきましょう。
材料が集まったら、AIに「以下の資料から、当社の強みと思われる点を5つ挙げ、それぞれの根拠となる記述を示してください」と依頼してみるのもおすすめです。社内では当たり前になっている強みに気づくきっかけになります。ただし、挙がった強みが本当に顧客に評価されている点かどうかは、営業担当などに確認しましょう。
ステップ4:進め方を決める
準備ができたら、どのように制作を進めるかを決めます。大きく分けて3つの進め方があります。
| 進め方 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 社内で作る(内製) | ページ数が少ない、更新を自分たちで続けたい | 確認と作業の時間を社内で確保する必要がある |
| 制作会社に依頼する(外注) | デザインや機能を作り込みたい、社内に時間がない | 材料の提供と確認は発注側の役割として残る |
| 組み合わせる | 重要ページはプロに、更新や原稿の下書きは社内で | どこまでを誰が担当するかを最初に決める |
どの進め方でも、目的を決めること、材料を用意すること、内容を確認することは自社の役割です。迷った場合は、まず小さく試作してみてから判断するのも一つの方法です。
ステップ5〜6:試作から本制作へ
ステップ5:小さく試作する
いきなりサイト全体を作るのではなく、まずトップページ1枚、またはサービス紹介ページ1枚をAIと一緒に作ってみます。最初のプロンプトは、例えば次のようになります。
- 「当社は〇〇を行う従業員15名の会社です。サイトの目的は、△△に悩む□□からの問い合わせを増やすことです。以下の会社案内の内容をもとに、トップページの構成案を作ってください。各セクションの目的と、載せるべき情報を説明してください。資料にない事実は加えないでください」
試作することで、AIがどれくらい使えるか、どの材料が足りないか、社内の確認にどれくらい時間がかかるかが見えてきます。この感触をもとに、全体のスケジュールや進め方を見直します。
ステップ6:本制作と確認
試作で得た感触をもとに、残りのページを作ります。AIの出力はすべて下書きとして扱い、事実確認と編集をしてから次に進みます。ページが増えるほど確認が後回しになりやすいため、「1ページ作ったら確認する」というリズムを守ることが大切です。確認の担当者と、最終的に公開を判断する人も、このタイミングまでに決めておきましょう。
ステップ7:公開と運用のルールづくり
公開前には、会社情報や価格などの事実、スマートフォンでの表示、問い合わせフォームの動作を必ず確認します。そのうえで、公開後に慌てないよう、次のような運用のルールを決めておきましょう。
- お知らせや実績を誰が、どのくらいの頻度で更新するか
- AIで作った文章を公開する前に、誰が確認するか
- 誤りに気づいたときの連絡先と修正の手順
- サイト全体を見直す時期(例えば半年に一度など)
サイトは公開してからが本番です。問い合わせの内容やお客様の反応をもとに、少しずつ改善を続けていきましょう。改善のための文章の見直しや追加ページの下書きにも、引き続きAIを活用できます。
まとめ
はじめてのAI活用サイト制作は、現状の確認、目的と読者の決定、材料集めという準備から始めることが成功の近道です。そのうえで進め方を決め、小さく試作し、確認を重ねながら本制作と公開へ進みます。どのステップでも、AIの出力は下書きであり、人が確認して公開するという前提を忘れないようにしましょう。
今日できることとして、ステップ2の「誰に、何を伝え、どんな行動をしてもらいたいか」を一文で書き出してみてください。その一文が決まれば、AIへの最初の指示も、社内での相談も、すぐに始められます。