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AIで作る広告文と景品表示法|誇大表現・ステマ規制を避けるチェック

AIに書かせたLPや広告文は、強い言葉や根拠のない数字が入りやすいものです。景品表示法の優良誤認・有利誤認、ステマ規制の基本を確かな範囲で押さえ、公開前のチェック方法とプロンプトの工夫を紹介します。

AIにLP(ランディングページ)のキャッチコピーや商品説明を頼むと、「業界No.1」「誰でも必ず成果が出る」「今だけ半額」といった、目を引く表現が次々に出てくることがあります。読み手を動かす文章としては魅力的に見えても、根拠がなければ、景品表示法上の問題につながるおそれがあります。

AIは、もっともらしい文章を作るのが得意ですが、その表現に根拠があるかどうかまでは判断してくれません。広告文の責任は、AIではなく表示をする事業者が負います。この記事では、AIで広告文を作るときに知っておきたい景品表示法の基本と、2023年10月に始まったステルスマーケティング(ステマ)規制のポイント、公開前のチェック方法を整理します。法律の個別の判断は、弁護士など専門家に確認してください。

景品表示法の基本を押さえる

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、商品やサービスの品質や価格について、実際よりも著しく優良・有利であると消費者に誤認させる表示などを禁止する法律です。所管は消費者庁です。Webサイトの文章、LP、バナー広告、SNSの投稿なども、事業者が商品・サービスを宣伝する表示であれば対象になり得ます。

主な不当表示の類型は次のとおりです。

類型 概要 AIの出力で起きやすい例
優良誤認表示 品質・性能・内容などを、実際より著しく優れていると誤認させる表示 根拠のない「業界No.1」「効果は抜群」「満足度98%」
有利誤認表示 価格や取引条件を、実際より著しく有利だと誤認させる表示 実態のない「通常価格の半額」「今だけ限定」
その他の不当表示(指定告示) 内閣総理大臣が指定する表示。ステマもここに含まれる 広告であることを明示しない「お客様の声」風の文章

また、優良誤認の疑いがある場合、消費者庁は事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠の提出を求めることができ、提出できなければ不当表示とみなされる仕組み(不実証広告規制)があります。つまり、「根拠を示せる表現だけを使う」ことが基本です。

AIの広告文に紛れ込みやすい危険な表現

AIは、多くの広告文から学んだ「売れる文章のパターン」を出力するため、次のような表現が入りやすくなります。

  • 最上級・比較の表現:「No.1」「業界最安」「他社より優れた」
  • 断定・保証の表現:「必ず」「100%」「確実に」「絶対」
  • 出典のない数字:「満足度95%」「導入企業1,000社」「売上が3倍に」
  • 期間・数量の限定:「今だけ」「残りわずか」「先着〇名」
  • 効果効能の表現:健康食品や化粧品での「治る」「若返る」など(他の法律の規制対象にもなり得ます)

特に注意したいのが、AIがそれらしい数字を作り出してしまうケースです。こちらが数字を渡していないのに「顧客満足度98%」のような記述が出てくることがあります。これは自社のデータではなく、AIが文章の流れで作った架空の数字です。そのまま公開すると、根拠のない表示になってしまいます。

ステマ規制とAIで作る「口コミ風」の文章

2023年10月1日から、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す、いわゆるステルスマーケティングが、景品表示法の不当表示として規制されています。事業者が自ら書いた文章や、事業者が第三者に依頼して書いてもらった投稿などで、一般消費者が広告だと判別しにくいものが対象になり得ます。

AIを使う場面で気をつけたいのは、次のようなケースです。

  • AIで作った架空の「お客様の声」や口コミをサイトに掲載する
  • 第三者のブログ記事のような体裁で、自社商品を紹介する記事をAIで作って公開する
  • インフルエンサーへの依頼投稿の文案をAIで作り、広告表記なしで投稿してもらう

架空のお客様の声は、ステマの問題以前に、事実ではない内容を表示することになります。お客様の声は実際にいただいた内容を、本人の同意を得たうえで掲載し、AIは要約や読みやすさの調整にとどめましょう。依頼した投稿には「広告」「PR」などの表記を入れることが基本です。

AIに広告文を書かせるときのプロンプトの工夫

危険な表現を減らすには、最初の指示の段階で条件を伝えておくのが効果的です。

  • プロンプト例:「当社の会計ソフトのLP用キャッチコピー案を5つ作ってください。以下の事実だけを根拠にしてください(事実:中小企業向け、銀行明細の自動取り込みに対応、電話サポートあり)。『No.1』『最安』『必ず』『100%』などの最上級・断定表現、ここに書いていない数字は使わないでください」
  • プロンプト例:「次の広告文の中から、景品表示法上の確認が必要そうな表現(最上級表現、断定表現、根拠が必要な数字、期間限定の表現)を抜き出し、理由を添えて一覧にしてください」

2つ目のように、AIをチェックの補助に使うのも有効です。ただし、AIの指摘は網羅的ではなく、法的な判断でもありません。最終的な確認は必ず人が行いましょう。

公開前のチェック手順

  1. 文章中の数字・最上級表現・比較表現・断定表現に印をつける
  2. 印をつけた表現ごとに、裏付けとなる資料(調査結果、社内データ、価格の実績など)があるか確認する
  3. 根拠がない表現は削除するか、事実に基づく具体的な表現に書き換える
  4. 根拠がある数字には、調査時期や対象、条件を添える
  5. お客様の声や口コミが、実在の声で掲載の同意を得たものか確認する
  6. 依頼した投稿や提携記事に、広告であることが分かる表記があるか確認する
  7. 判断に迷う表現は公開を保留し、専門家に相談する

例えば「業界No.1」は、何の、どの範囲での1位か、いつの調査か、誰が調べたかが説明できなければ使えません。こうした表現を使うより、「銀行明細を自動で取り込めるので、入力作業の手間を減らせます」のように、具体的な特徴を伝える文章のほうが、結果として読み手に届くことも多いものです。

まとめ

AIで作った広告文には、最上級表現や断定表現、根拠のない数字が入りやすく、そのまま公開すると景品表示法上の問題につながるおそれがあります。また、AIで作った架空の口コミや、広告であることを隠した記事は、ステマ規制の観点からも避けるべきです。

次のステップとして、現在公開しているLPや商品ページを、上のチェック手順に沿って見直してみてください。今後AIで広告文を作る際は、事実を渡し、使わない表現を指定するプロンプトをひな形として共有しましょう。表現が問題になるかどうかの個別の判断は、消費者庁の公表資料も確認しつつ、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

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